請求システムの契約管理、契約を登録するだけで十分ですか?

請求システム

契約金額や期間を登録すれば、毎月の請求は自動化できそうです。ところが、契約の変更や途中解約が発生したとき、その後の請求をどう扱うかという問題が出てきます。

新しい請求システムへの契約登録が、ようやく終わりました。

これで毎月の請求も、自動で処理できそうです。

ところが、その契約が途中で解約になったら、どうなるのでしょうか。

商品マスタ、顧客マスタ、決済方法を設定し、契約情報まで登録できれば、請求業務の準備は整ったように見えます。契約金額も期間も分かっているので、あとはシステムに任せられそうです。

現在、副業先で請求システムの導入を進めています。これまでの商品マスタ、顧客マスタ、決済方法設定に続き、第5回は「契約管理」を取り上げます。

1. 契約金額も期間も登録した。これで準備は完了?

請求システムでは、顧客と商品を選択し、契約開始日や契約期間、料金などを登録します。

例えば、月額サービスを1年間提供する契約を考えてみます。契約金額と請求サイクルが決まっていれば、毎月の請求金額を計算できます。契約情報をもとに、請求データを自動生成する仕組みもあります。

こうした機能があれば、毎月Excelを確認して請求金額を入力する手間を減らせそうです。

特に継続課金のサービスでは、同じ契約から繰り返し請求が発生します。一度正しく登録しておけば、毎月の請求作業は楽になるでしょう。

ただ、ここには一つ前提があります。

契約内容が、登録したとおりに続くことです。

2. 契約を登録したあとに、内容が変わったら?

例えば、月額サービスを利用している顧客から、途中でオプションを追加したいという連絡があったとします。

あるいは、契約しているプランを翌月から変更することになった場合はどうでしょうか。

契約自体は継続していますが、請求金額は変わる可能性があります。

このとき、単に現在の契約金額を上書きするだけでよいのか、少し気になります。

継続課金に対応した契約管理システムには、プラン変更やオプション追加を履歴として管理できるものがあります。変更する時期を指定して、将来の請求へ反映させる機能もあります。

これなら、過去の契約内容を確認しながら、変更後の料金を管理できます。

ただし、変更内容がいつから請求へ反映されるのかは、契約条件や設定によって確認が必要です。

では、金額の変更ではなく、契約そのものが途中で終了した場合はどうなるのでしょうか。

3. 契約が終わった。その月の請求はどうなる?

例えば、1年間の契約を結んでいた顧客から、半年後に解約したいという連絡があったとします。

契約管理システムには、契約期間の途中で解約するための機能が用意されている場合があります。

ここで気になるのが、解約した月の請求です。

月の途中で終了した場合、日割り計算になるのでしょうか。それとも、その月の料金は全額請求するのでしょうか。

これはシステムだけでは決められません。契約で定めた料金条件や解約条件によって、扱いが異なるからです。

また、すでに作成された請求データがある場合には、そのデータをどう扱うのかも確認したいところです。

途中解約の機能があるからといって、すべての請求処理を自動的に判断してくれるとは限りません。

そして、契約の終了に関する操作を調べると、さらに気になることがあります。

4. 契約を終わらせる操作が、なぜ3種類ある?

契約管理システムによっては、「途中解約」のほかに「無効化」「削除」という操作が用意されています。

どれも契約を終わらせる操作のように見えますが、実際には意味が異なります。

途中解約は、予定していた契約期間の途中で契約を終了させる場合に使う処理です。

一方、無効化は、誤って登録した契約などを有効な契約として扱わないための処理です。システムによっては、その後の請求データが生成されなくなり、分析対象からも外れます。

さらに削除は、契約データ自体を取り除く操作です。ただし、すでに請求データが生成されている契約などは、削除できない場合があります。

例えば、実際にサービスを提供していた契約が途中で終了した場合と、入力を間違えて作成した契約では、扱うべき情報が違います。

「契約が終わった」という結果だけを見ると同じでも、そこに至る事情によって処理が変わるのです。

では、契約の登録や変更、終了を正しく設定できれば、その後は何も確認しなくてよいのでしょうか。

5. 契約アラートが表示された。その後は?

継続課金の契約には、自動更新の仕組みが用意されている場合があります。

契約満了時に自動で更新できれば、毎回担当者が契約を登録し直す必要はありません。

ただ、自動更新の処理が予定どおり進まない場合も考えられます。

契約管理システムの中には、自動更新の失敗などをアラートとして表示するものがあります。

ここで大切なのは、アラートが表示されたあとの対応です。

誰がアラートを確認するのか。営業担当者に問い合わせるのか。契約情報を修正するのか。

システムが異常を知らせてくれても、その後の判断まで自動で完了するとは限りません。

契約管理を自動化するということは、正常に処理される仕組みだけでなく、例外が発生した場合の対応まで考えることなのだと思います。

6. 契約を一件選ぶだけで、見えてくること

契約管理の仕組みを一度にすべて確認するのは大変です。

そこで、まず毎月同じ金額を請求している契約を一件選んでみます。

契約開始日と終了日、契約している商品、請求金額を確認します。次に、途中で商品や料金が変更された場合、どのように請求へ反映されるのかを考えてみます。

さらに、途中解約になった場合の操作や、アラートが表示されたときの確認担当者も確認します。

実際に解約が発生していなくても、仮にその契約が終了したらどうなるかを考えるだけで、確認したい項目が見えてきます。

最初からすべての契約を整理する必要はありません。一件の契約で流れを理解できれば、ほかの契約にも応用しやすくなります。

まとめ:契約を登録すれば終わり、ではなかった

契約金額や期間を登録すれば、毎月の請求は自動化できる。

確かに、契約情報をもとに請求データを作成できれば、日々の経理業務は楽になります。

しかし、契約内容は登録時のままとは限りません。途中で変更されたり、解約されたりすることもあります。

そこで気づいたのは、契約管理では、契約を登録することだけでなく、その契約がどのように変更され、終了するのかまで考える必要があるということです。

まずは一件の契約を選び、登録から終了までの流れを確認してみてください。

普段は意識していなかった業務が見えてくるかもしれません。


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